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| 12月13日 | ■欧州特許条約2000 |
いかなる言語で出願してもよく,例えば日本語で出願を行うこともできる。ただし,出願人は2か月以内(新規則6条(1))にEPOの公用語による翻訳文を提出しなければならず,翻訳文をこの期間内に提出しない場合,改めて2か月以内に翻訳文を提出するよう通知を受ける(新規則57条(a),58条)。それでも提出しない場合,出願は取り下げ擬制される。なお,翻訳文の誤記等はEPO手続きを通して原文に基づく修正が可能である。 | |
TRIPS協定27条(1)第1文に従い,「全ての技術分野の」発明に対して特許が付与されることが明示された。EPC2000発効前から,「技術的特徴」(technical character)を有することが発明たる条件として課されてはいたが,実務においては,技術分野により区別を行うことなく特許が付与されてきたため,本規定の改正は確認的なものになる。 | |
2007年3月に公表された審査ガイドライン改訂案では,2005年度版審査ガイドラインからの大きな内容変更は行われず,具体的には, | |
審査ガイドライン改訂案では,2005年12月16日のGl/04審決に基づき, | |
EP先願の明細書に記載された発明は,新条約93条により公開されると技術水準(the state of the art)の一部となる(新条約54条(3))ので,EP後願の新規性を損なう発明である。旧条約では,この規定が適用されるためには先願と後願の指定国が一致していることが必要であった(旧条約54条(4))が,改正条約では旧条約54条(4)が削除された。欧州特許出願時の全締約国は願書において全て指定されているものとみなす旨を規定する新条約79条(1)の導入に伴う改正である。この改正により,今後は指定国とは無関係に出願の衝突(Collision)の問題が生ずる。 | |
公知の医薬の新規な用途に関する発明に関して,旧条約では,スイス型医薬第二用途クレームのみが認められていたが(Gl/83,G5/83,G6/83),権利の有効性に閲し各国の見解に相違があり,特許の法的安定性が十分ではなかった。新条約54条(5)により,医薬品として既に知られている物質又は組成物の更なる新しい医療用途に関し,物の発明として特許を受けうることが明確となった。新条約54条(5)により,医薬第二用途の組成物クレーム(例Substance or Composition X for curing disease Y”)が認められるようになった。 | |
新条約69条に関する議定書(以下「議定書」)に,「EPによって付与された保護の範囲を定めるために,請求項に規定された要件と均等であるすべての要件について,妥当な考慮がなされるべきである。」旨を規定する新2条が追加された。これにより,締約国における特許保護の範囲の判断に際して「均等」についても考慮することが明確となった。 | |
分割出願時点で先の出願において指定されているすべての締約国は,当該分割出願においても指定されたものとみなされる。先の出願の出願時の指定国(全締約国)が指定されたものとみなされる訳ではない。分割出願の言語に関しては,先の出願の手続言語(EPOの公用語(英独仏))によって出願されなければならない(新規則36条)。 | |
特許出願がなされた時点で,締約国の全てが特許の付与を希望する国に指定されたものとみなされる。ただし,実際に指定したい締約国については所定時期までに指定手数料を支払わなければならない(新規則160条(2))。 | |
(a)特許が求められる旨の表示,(b)出願人同定情報又は出願人との連絡可能情報,(c)あらゆる言語による,詳細説明又は先の出願への言及,を含む書類が提出された日が出願日となる(新規則40条(1))。したがって,出願日の認定に際しては締約国の指定が不要(みなし全指定)となるだけでなく,明細書もクレームも必須ではない。なお,出願から2か月以内に先の出願の翻訳文を提出しなければならない。 もし出願後の審査において新規則40条に定められる上記要求等が満たされていないことが明らかになると,出願人はその旨の通知を受け,2か月以内に補充しなければならない(新規則55条)。 当該出願が優先権を主張するものである場合は,出願の明細書又は図面に欠落した部分が優先権基礎出願に完全に含まれる限り,出願日が繰り下がらずに欠落を補完できる。この補完は出願後2か月以内,又は欠落が方式審査により明らかになった場合の補完の通知から2か月以内,に行わなければならない(新規則56条(3))。 | |
特許性の判断のために優先権主張の有効性について検討することが必要なときのみ,翻訳文を提出することが要求される(新規則53条(3))。 優先権の申立は特許出願時に行うべきではあるが,最先の優先日から16か月以内であれば行うことが可能となり,また既に行った申立の修正(修正による最先の優先日から16か月以内)も行うことができる(新規則52条(2)(3))。 また,WTO加盟国(例えば,台湾)に最初の出願を行った場合でも,優先権が認められる。 | |
出願人のみならず第三者も審査請求できる(新規則70条)。 | |
侵害訴訟が提起されていること等を示せば,異議申立期間経過後いつでも異議申立手続に参加できる。 | |
限定手続(1imitation proceeding)は今回の改正で初めて導入された内容であり,EPOにおいて欧州特許のクレームの限定,あるいは欧州特許の取消が可能になった。
この限定手続きにおいては,特許権者の請求により,いつでも,欧州特許の取消,またはクレームの限定をすることができる。ただし,異議申立手続が係属中は本請求を行うことができない。
本請求の手続きについては,新規則90条〜96条に規定されている。通式になされた請求は,審査部によって明瞭性や拡張補正の禁止などの形式的な審査がなされ,審決が出される。実体的な特許性(新規性,進歩性,産業上利用性な
ど)については審査されない。請求が認められた場合,翻訳文の提出が求められ,その後,補正された欧州特許公報が発行される。
本手続は,改正条約発効時に既に付与されている欧州特許,および改正条約発効時に係属中である欧州出願に関して付与された欧州特許にも適用される。 | |
優先権期間,審判請求の期間,再審理請求の期間,手続の続行及び権利回復の期間 | |
相当の注意をしたにもかかわらず,優先権主張出願そのものを行うことなく優先権期限を徒過してしまった場合は,優先権期限から2か月以内に限り,優先権の回復を申請(優先権を主張した出願を)することができる。 | |
権利の回復については,規定の文言はやや変更されているが,除斥期間や消滅時効の規定が施行規則によって定められるなどの変更がほとんどである。実質的な変更点としては,手続の続行に関する規定が適用される期限に村して当該権利回復は適用されないことが条文に明記された。 | |
EPOは「特許出願にかかる発明に関して国内特許手続または広域特許手続において考慮された先行技術情報」を「施行規則にしたがって」提出するよう求めることができる。そして,その要求に対する応答が所定期間内になければ,出願は取り下げたものとみなされる。 提出すべき先行技術情報の範囲としては,EPC領域外の各国出願における先行技術情報も対象になると予想される。例えば,日本出願を優先権の基礎とするEPC出願では,基となる日本出願や米国等の対応他国出願の審査において引用された先行技術情報が該当し得る。 提出義務が生じる時期としては,出願係属中かつEPOから提出を求められた場合のみと予想される。 提出義務違反の効果については,提出要求に応答しても,その内容によっては出願取下擬制を受ける可能性があり,この点は今後の実務を待つ必要がある。なお,出願取下擬制されることになる場合はEPOから新規則112条(1)の通 知がなされるので,この通知がない限り出願は有効であると判断し得る。実務上は出願取下擬制の通知がなされる前に審査官から何らかの反応があると予想される。 出願取下擬制には至らずとも提出要求に対する応答が不十分であった場合に,このことが各国での権利行使に影響するか否かについては各国の裁判所の判断に委ねられる。 | |
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